末那識の無明は、第六意識に智慧がないから生じるのではなく、むしろ末那識に無明があるが故に、第六意識に智慧が備わらないのです。故に鈴を結びつけたのは第六意識ではなく、もっとも鈴を解くには第六意識の働きが必要です。末那識の無明は無始劫の昔より連綿と続いており、いまだかつて明らかになったことがありません。最初の時点では如来蔵と末那識のみが存在し、第六意識はありませんでした。それならば、末那識の無明がどうして第六意識の過失になり得ようか。第六意識の無明こそ、実は末那識の過失なのです。
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