問:六識は事相を表していますが、これは主にこの世界での生活の仕方を決定するものなのでしょうか?
答:六識が造り出す事相は、その背後にある第七識である意根が主体となって決定するものであり、同時に意根の心行を表しています。意識表面の行為造作、つまり身口意の行いの背後には、常に第七識が主宰的役割を果たしています。身口意の行いは意識に依ることも可能ですが、そのためには意識の力が第七識を上回り、第七識が意識の提言や牽引に従う意思を持たねばなりません。もし第七識の力が強く、意識の提言に従う意思がない場合、全ては第七識が主宰し決定します。例えば殺生を行う際、殺しながら同時に衆生を憐れむ様子は、意識の憐れみが依然として第七識の殺生習気に抗しきれず、依然として第七識に依って殺業を造作していることを示しています。意識は一時的に第七識に逆らえず、意識がさらに強くなり、より法と因果を理解して説得力が増せば、第七識を説得した後は殺業を造らなくなります。意識が第七識を薫染することに成功していない場合、意根に従って殺業を造りながらも、心に憐憫の念を抱くことになります。
意識自体の善心所法がまだ堅固で強固でない時は、第七識を説得できず、第七識に逆らえないため、善業を造りながらも貪瞋嫉妬に囚われ、利益のみを追求し、自利のみを考え他利を考えません。意識の善心所法が十分に強固でなく、完全に薫習されていない場合、四正勤は修得されず、第七識の未生善は生じることができず、已生悪は断つことができず、悪を断ち善を修めることができなくなります。
1
+1