六識と五根六塵は依他起性であり、事理そのものの性質は他法に依って生じるもので、自主的ではなく、単独で存在することはできない。性とは性質のことであり、事理の性質を指す。性の字がない場合は事理そのものを表す。第七識の意根は遍計所執性であり、意根本身は遍計所執の識心である。
第八識の本体は一切法を円満に成就することができ、すべての法が如実に顕現し、本然のままに存在することを可能にする。したがって第八識は円成実性を有する。第八識以外のすべての法は、第八識が自中の種子によって円満に成就し出生したものであり、いずれも第八識の性質を帯びている。これらを便宜的に円成実性と称することもできる。円成実性が第八識本体の性質を指すのか、あるいは諸法の性質を指すのかは、文脈に従い義によって論じるべきである。要するにこれらは全て実性・如実性・真性・如真性・根本性である。
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