六界とは何か
原文:仏は大王に言われた。かくの如き六界。六触処十八の意が伺察する所なり。この補噜沙は、縁を得て生ず。いかにが六界か。いわゆる地界・水界・火界・風界・空界・識界なり。
釈:仏が浄飯王に説かれた。大王よ、先に述べた六界は、六触処と十八界によって観察思惟し得るもので、人はこの六界を縁として六界に依って初めて生じる。もし阿羅漢のように無余涅槃に在って五蘊の身が三界世間に存在せず、六界の現行も無いならば。何が六界か。即ち地界・水界・火界・風界・空界・識界である。
六界とは、地水火風空識の六大種子界である。六触処とは、眼触処・耳触処・鼻触処・舌触処・身触処・意触処を指す。十八界とは六根・六塵・六識である。補噜沙とは「人」を意味し、仮の我を指す。即ち仮の我は六界を縁として初めて生じる。「我」という仮の人が生じるには六大種子を縁とし、そのうち地水火風空の五界が衆生の五蘊身を生じ、識界が衆生の識心を生じ、合わせて六界が衆生の五蘊身(色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊)を生ずるのである。
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