捨覚支は七覚支の中で最後の覚支であり、念覚支・択法覚支・精進覚支・喜覚支・猗覚支・定覚支・捨覚支を指します。捨とは一切の身心の負担や重荷を捨て去ることで、善悪を問わず、苦楽の如何にかかわらず、あらゆる覚受を捨て、内心が清浄無為となる状態をいいます。
行捨(ぎょうしゃ)は不害とも呼ばれ、悪しき不善の行為を捨て去ることを指します。例えば、元々ある人に仕返ししようと考えていたが、今はその行為を捨てた場合。元々人を嫉妬し危害を加えようとしていたが、今は嫉妬せず危害を加える意図もなくなった場合。悪行を捨てて内心が清浄となる、あるいは善の中に安住する状態です。ただし覚受そのものを必ずしも捨て去れるわけではなく、心に喜楽や軽安、その他の覚受が残る場合もあり、捨覚支とは異なる点があります。
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