一切衆生の色身の組織構造は実に複雑であり、神経システムは極めて精緻で、その機能作用はさらに微細である。如来蔵はまさに巧みな工匠であり、その用いる設計図はどのようなものか。誰が設計したのか。如何にして設計図に従って色身を構築したのか。まことに驚嘆に値する神秘である。
何故五陰身が出生するのか、最初に何によって世界と五陰身が存在するに至ったかについて、楞厳経では重要な点を説いている。それは意根が何かを明らかにしようと欲し、外に向かって探求したことにより混沌たる世界が生じたという。それ以前には、如来蔵と意根のみが存在し、深遠なる幽玄の状態にあった。五陰身の出生を遡及すれば、結局如来蔵に至る。ここに「名色は識(第八識)を縁とし、識(第八識)は名色を縁とする」との結論が導かれる。
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