黒い箱(ブラックボックス)とは、脳における五つの勝義根 (indriya) のことであり、視覚の感知部位、聴覚の感知部位、嗅覚の感知部位、触覚の感知部位、運動中枢神経系および言語中枢神経系を含みます。脳の一部、端脳、脳幹、小脳などを含みますが、大脳皮質は含まれません。大脳皮質はもっぱら意根によって調節されており、意根がすべての脳の活動を担っているため、意識でさえそれを知ることができません。それゆえ、意識の活動範囲は意根の活動範囲より狭いのです。
色身の変動・遷流・活動はすべて行蘊の範囲に属し、直接意根によって調節され、身識と意識が関与しますが、必ずしも意識の思惟・分析・支配の働きがあるとは限りません。意根がこれらの活動を我および我所と執取 (upādāna) するのが、我見 (ātma-dṛṣṭi) です。しかし、色身の肌体の自律的な活動、たとえば内部の臓器の活動、心臓の鼓動、脈拍、胃腸の蠕動、細胞組織の新陳代謝、髪や爪の生え変わりなどは、意識と意根の調節を受けず、如来蔵 (tathāgatagarbha) が業種と業縁に依って生命体を執持する活動なのです。
身体の外的な活動には必ず意識と身識が関与しますが、よく慣れ親しんだ道筋であれば、意識が思惟し指図しなくても、意根だけで意識と身識を導いてその道を歩み切ることができます。もしその道が慣れていないものであれば、意根は必ず意識の思惟・分析による導きに依拠してこそ、意識と身識を主導してその道を歩み切ることができるのです。細胞の新陳代謝、組織構造の変化、筋肉や骨格の成長と変化は、いずれも意根と意識の制御を受けず、すべて業種と業績に従って変化が生じるのです。
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