勝義根は後頭部に位置し、心法と色法が関連する所である。勝義根の四大が調和せず、小脳萎縮や大脳変性疾患が生じると、運動障害・認知障害・記憶障害などが発生する。これらは全て勝義根の老化病変によるもので、心法の六識が正常に活動し生起できなくなり、衆生は極めて死に易くなる。脳酸欠や小脳萎縮は勝義根を破壊し、六識の生起や様々な認知活動を阻害する。人間の生命は極めて脆弱で、一息続かなくなれば脳酸欠による脳死を招き、生命が終わる。なぜ深呼吸の修行が禅定を得易いのか。深呼吸は脳への酸素供給を保証し、身体の健康に有益である。脳が通暢であれば六識心が快適になり、色身と対抗・変更する必要がなく、禅定を得易くなるのである。
ここから、五蘊の機能は依他起性であり、自主性を持たないことが分かる。自立できず、極めて虚妄不実である。外界の多くの条件に依存して初めて正常な五蘊活動が可能となり、一つでも欠ければ成り立たない。このような五蘊身は極めて頼りにならず、全く実体がない。故にこれらは全て我ではない。衆生が依存するものは全て確実性を保証されない。もし何にも依存しない境地に至れば、何ものも恐れることはなくなる。将来我々が外界の如何なる環境条件にも依拠せず、生滅するものの影響を受けない境地を修得できれば、ほぼ不老不死と言えるだろう。これはおそらく八地以上の境地である。我々は常に変化しない、外的条件を必要とせず確実な常法を求め、それに依拠すべきである。
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