脳内補完や想像による第八識の構築は第八識の実証とはならない

かつて第八識を証得したと主張していた人々が、今では「悟りとは真如を証するものであり、第八識を証するものではない」と言い始めました。皆さん、これらの方々がかつて悟りを得たと称していたのは、いったいどのようなものだったのでしょうか。第八識と真如の関係を理解しているか否かは別として、最も重要なのは自らが当初どういう状態にあったかを明確に把握せず、聖人を自任して他者に第八識を証得するよう教えていたことです。これはまことに愚かしく滑稽な行為ではなかったでしょうか。これこそ、かつての第八識証得と称するものが純粋に想像と推論から生まれたものであり、実証に基づくものではなかったことを示しています。真に証得した法は、いかなる因縁に遭遇しても後から否定したり曖昧にしたりすることはあり得ず、承認を恐れ否認もできず悶々と苦しむような事態には至りません。推論や想像で補ったものは、ちょっとした変化にも疑心暗鬼になり自説を堅持できず、仮に堅持できたとしても推論の域を出ないのです。

現在における第八識に関する説は混乱の極みにあり、もはや説明のしようがありません。池の水は底から水面まで濁りきっています。かつては底が濁り水面は清らかでしたが、今や底から表面まで全てが濁っています。なぜこのような事態になったのでしょうか。功を焦り相応の代償を払わずに虚名を得ようとする野心、虚栄心の膨張、真偽を見分けず空中楼閣を築く行為に起因します。堅実に基礎から修行を積まず、一歩一歩実践を重ねない結果、最終的には基礎的な法を軽視し高次の法も証得できず、高低どちらも成就しないまま臨終を迎えるなら、いかなる結果を招くでしょうか。推論による悟りを極めた者が「悟りたての住位菩薩は、数地の菩薩でなければ観察できない一切法が第八識の種子の機能作用であることを観察できる」と主張しています。この推論の規模は驚くべきもので、いかなる者もこの高みに達し得ず、祖師大徳の再来者さえ為す術がありません。

池の水を撹拌する者には大いなる功徳があります。かつて池底に潜んでいた怪物を水面に浮上させたことで、人々は水底に沈みひそかに人々を害していた正体を認識できるようになりました。もし後世まで怪物の正体が判明しなければ手遅れになったでしょう。ましてや後世には怪物を認識する機縁すら得られないかもしれません。怪物が早く姿を現せば、早く除去できます。害毒を早く認識すれば、早く覚醒し被害を軽減できるのです。