問:私たちが現在経験している全てのことは最善の安排であり、偶然の要素なく必然的に起こるものなのでしょうか。自分ではコントロールできない多くの行為に悩み、自責の念に苦しんでいます。
答:行為は意根が主導し支配しています。意根の煩悩と染汚が浄化されていない限り、身・口・意の全ての行為は意根の煩悩習気によって支配されます。意識が自らの身口意行を制御しようとしても叶わず、道理に合わない自身の言行を見て羞恥と自責を覚えますが、実際には意根を責めているのです。ただ意識はこれが意根の問題であることを理解せず、自身の問題だと思い込んでいます。もし意識自体の問題なら、気付けば即座に改められ、困難ではありません。しかし意根の問題に対しては、意識は時に手の施しようがなく、学びを重ね、理を明らかにし、巧みな方法で意根を説得し浄化させることで、意根の煩悩習気は徐々に収まってくるのです。
私たちが現在遭遇する全てのことは、その多くが避けられず受け入れざるを得ない自らの因縁果報であり、回避も選択もできず受動的に受け入れる必要があります。真に最善の安排とは仏様のような境地の安排であり、仏様のような果報と境遇です。ただし私たちの境遇には、因果を能動的・受動的に変容させる偶然要因や突発事象も含まれます。修行が一定の域に達すれば因果を制御し変える力が生じ、その時こそ身心に自在が得られるのです。
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