衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年06月19日    金曜日     第3 回の開示 合計2411回の開示

谷間のこだまは何の境に属するのでしょうか

谷間で大声を叫ぶ時、その声は本質境である。本質境が空気や岩壁に遭遇し、阻害を受けると、伝播する音は変質する。四大の微粒子が変化するためである。我々が再び反響音を聞く時、その音は比較的虚ろで不真实に感じられ、遥かな天際に在るかのようで、人の叫び声とは大きく異なる。人の叫び声は真実であり、反響音は叫び声を基に後に生起したもので、第二の月の如き存在である。

反響音は音が障害物に当たって跳ね返る現象に類似し、卓球のボールがラケットに当たって反発する様に似ている。跳ね返るボールの速度は遭遇した抵抗の大小によって決まる。谷間の反響音の大小と音質は、空気の対流の強度と岩壁の抵抗の大小による。谷が広ければ広いほど、反響音は偽物のように、虚ろで、不真实に感じられる。谷間の反響音は真とも偽とも言えず、真偽混淆の性質を帯びている。本質境の質を保持しているためである。

第二の月は、天上の真月である第一の月から直接派生する。第一の月無くして第二の月は存在しない。第二の月を真とも偽とも断定できない。第二の月は真偽混淆の性質を有し、第一の月の本質境における質を多く帯びているため、より真実らしく見える。しかしながら、智慧ある者は、第二の月を捏造しても、それを真月たる第一の月と見做してはならない。同様に、谷間の反響音を人の真実の声と認めてはならず、反響音を辿って人の真実の声を探求し、遂には人そのものを見出すべきである。これこそが参禅の秘訣である。

——生如法師の開示
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