世間の神通や算術などの非合法な手段で他人の秘密やプライバシーを不正に入手することは、窃盗に該当する。易経八卦を理解し、それを用いて他人の商業秘密、企業情報、機密情報や資源などを推測する者がいるが、各種情報は一般的に個人や団体の秘密に属する。同意なく他人の情報を推測・掌握することは窃盗行為である。価値が重大であれば犯した罪も重大となり、相手に物質的利益や名誉などの損失を与えた場合、その罪過はさらに大きく、懺悔の余地がない。特に三宝に対しては、いかなる覗き見るような心や行為もあってはならず、知ることを許されていない事柄については、あらゆる手段を尽くして探ったり、推測や占測をしたりせず、正人君子として心を正し、人として正しくあり、徳が高く重んじられるようになって初めて聖賢となることができる。
鬼神が私的に侵入し他人の生活空間を占有することは、窃盗に該当する。偽造品を生産すること、職権乱用、なりすましも窃盗である。アメリカでは人権が説かれるが、人としての最も基本的な正当な権利が、他人によって使用、占有、剥奪された場合も窃盗に該当する(法律で制裁される者及び非合法・不正な権利は除く)。親が子に代わって決定すること、子が親に代わって決定すること、互いに知らされず、仮に知っていても同意しないであろう場合、人と人との間で互いに代わって決定し、相手に通知しないことも窃盗、すなわち相手の自主権を盗む行為に該当する。
人が地球上の基本的な生存条件を使用することは、各人の平等な人権であり、いかなる理由や形式によっても剥奪されるべきではない。そうでなければ窃盗に該当する。例えば、ある公共区域が公共の範囲または政府管理範囲に属する場合、個人が私的に囲い込み駐車場を設置し、強制的に料金を徴収し、本来利益を得る権利がないにもかかわらず利益を得る行為は、これすなわち窃盗である。心機に長けた者は、得ることのみを考え与えることを考えず、これが窃盗心であり、得をしようとする心は全て窃盗心である。
自我が強い者ほど、他人を尊重せず、他人を軽んじるため、強引に他人に代わり、侵害し、冒涜し、抑圧し、利用しようとする。現代の商業戦争、各種の戦争の実質は何か。それは奪い合いと侵略の戦いであり、全て窃盗に属する。多くの事柄が、個人であれ国家であれ、愚痴と無明により欲念が激しく、窃盗を犯しているのである。
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