福徳はどのように消耗され尽きるのか
福を修めることは本来容易なことではありません。福徳を全て自己のために用いれば、次第に減耗してまいります。もし他人の財物を横領したり盗んだりすれば、その福徳は千倍あるいは無量倍の代償をもって償わねばならず、これほどの倍率で福徳が消耗することを思えば、実に割に合わぬことです。仮に天界に生まれ天主となっても、多生にわたって積んだ福徳は一瞬で消え去りましょう。人間界に生まれ大臣となっても、福徳はほぼ消耗し尽くします。福を享受する時は福が急速に消え、一度の礼拝を受けるごとに蓄えは減り、人に仕えさせ衣服を洗い食事を用意させれば福徳は減じます。あるいは「万歳」と一声唱えられるだけで、積んだわずかな福は消え去るのです。福徳はこのように一点一滴消耗し尽きるもの。仏道を修める者は必ず福を集め修める道理を悟り、道業と成仏のために計らねばなりません。
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