問:酒後の状態とは意根の習気、つまり意根の本来の姿であるということで宜しいでしょうか?
答:飲酒後は脳神経が麻痺し、五根の作用力が弱まり、生じる六識の了別力が低下し、意識の思考力も弱まります。この状態では六人の偵察員(六識)が六塵の境界をありのままに偵察できず、意根は情報源を半ば遮断されます。意識の参謀作用も十分に発揮されないため、この時は完全に意根自身の智慧、つまり意根の本性が顕現するのです。
「酒は本音を吐かす」という諺は、酔後に発する言葉が完全にその人の意根の心の声であり、意識による虚飾や偽りが除去された真実の想いを指します。世間で言う「酒品即人品」とは、まさに意根の品性を指すもので、これがその人の本来の面目なのです。
3
+1