我々は一般的に生まれながらにしてある種の福徳を具えており、母胎にいる時から福を享受する運命が定められています。出生後すぐに福を享け始める場合もあれば、ある時期を経て福を享け始める場合もあります。これは第七識である末那識がもたらした福徳であり、その種子は第八識である阿頼耶識に蓄えられています。末那識がこの種子と相応するのです。意識は後天的に生まれるもので、前世から引き継がれるものではありません。母胎内や少年期に福を積む機会がなかったため、意識自体は福徳を具えていませんが、福徳を享受することはできます。生来の福徳と智慧は全て末那識がもたらすもので、それを意識が享受するのです。現世の意識が末那識と協力して再び福と慧を修め、業種が成熟すれば現世で福徳と智慧の善報を受け、業種が未成熟であれば後世の意識が福徳と智慧の果報を享受します。
同様に、生来の無福無慧の運命も末那識がもたらすものです。末那識が薄福の種子と相応すれば、その運命は貧窮卑賤となり、苦難に満ちたものとなります。この果報は意識が引き受けます。現世の意識が再び末那識と協調して悪業を造作すれば、業種が成熟した際には現世の意識が悪報を受け、業種が未成熟であれば後世の意識が悪報を受けるのです。
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