初禅において身心の感受が非常に美妙であるがゆえに、欲界愛に対する興味を失い、これによって欲界愛を断除することができる。また、初禅定の内に喜びを有するがゆえに、瞋恚心を断ずる。したがって、初禅の功徳を受用しなければ、貪愛と瞋恚を断ずることはできない。ただし前提として、まず我見を断つという智慧が必要である。この前提がなければ、たとえ初禅定を修得したとしても、貪愛と瞋恚を断ずることはできず、煩悩を押さえ伏せるのみで、煩悩を断じることはできない。一旦定力が失われれば、煩悩は再び現れる。よって煩悩を断ずるには、初禅定を獲得した後ではなく、それ以前に必ず三結を断じなければならない。あらゆる法の証得は、禅定と智慧の結合によるものであり、いずれも欠くべからず、さらに福徳を具えることが前提となる。
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