衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2020年01月30日    木曜日     第1 回の開示 合計2122回の開示

ウイルスの駆除は殺生に当たりますか?

ウイルスとは人類に益なく害を及ぼす細菌類の衆生である。衆生と呼ばれる以上、これを殺すことは殺生に当たる。しかし仏陀が制定した不殺生戒の中には細菌類の衆生は含まれない。なぜなら娑婆世界の人間界において、神通力を持つ者を除けば、誰も細菌を避けて生存することはできないからである。

菌類の衆生は天地に満ち溢れ、数え切れないほど存在する。人体の内外や表皮、空気中に遍在し、食品中にも存在する。発酵食品は菌類の働きによって膨らみ、各種酵素や漬物類なども菌類に依存している。菌類がなければ、人類は多くの飲食を享受できない。人類の生存は菌類衆生に依存せざるを得ず、そうでなければ生存できない。例えば飲食の消化吸収や排泄、胃腸の蠕動運動も細菌の助力によるもので、人体には至る所に細菌が存在する。もちろん菌類には有益菌と有害菌がある。有害菌とは人体を傷つけ病に至らしめ死に至らしめる細菌を指す。薬剤による消毒はこれら細菌を対治する行為である。この部分の細菌が死滅してこそ、人類の身体は健康を保ち、生命の安全が保障される。

厳密に言えば、すべての人が能動的・受動的に細菌を殺した経験を持つ。免疫力の強い人体細胞は侵入するウイルスを自発的に貪食するが、人類はこれを認識しない。もしウイルスを滅することが殺生に当たるなら、仏陀の制定した戒律を守り得る者はいなくなり、悟りを得る者もいなくなる。これにより、ウイルスの駆除は殺生に該当せず、人類という高次生命を守るために有害な最下級生命を滅するのは止むを得ないことであり、生命の進化がこれを要請する所以である。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

陰徳を積むことを知る者はいるか

次の記事 次の記事

能所双亡について

ページのトップへ戻る