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作品
《大方広如来蔵経略講》 分類: 読了回数: 12851
この経典は大乗経典の中で最も基本的な経典である。経典によれば、この経典は世尊が成道後十年余りの時、耆闍崛山の大講堂において大衆のために説かれた大乗経典である。世尊が小乗の教えを説き終えて大乗に転じられた際、最初に説かれた経典であり、これが大乗仏教の基礎を成すことを示している。この経典は信仰を啓発する役割を果たし、大衆に大乗仏法への信心を起こさせ、如来蔵の法を受け入れさせ、衆生が自らの中に微妙で深遠なる如来蔵を具えていることを信受させる。衆生が自らに如来蔵を具えるという法理を深く疑いなく信じるに至った時、信位の菩薩は修行を円満し、その後住位の段階に入り、菩薩の六波羅蜜を修め、心を明らかにし本性を見る準備を始めるのである。
衆生の五陰身は如何にして存在するのか。衆生の五陰身は如何にして後世に赴くのか。衆生の五陰身は如何にして業を来世に遷すのか。衆生の五陰身は如何にして消失し滅していくのか。五陰身の一切の秘密を知るには、この大乗顕識経を学ばねばならない。 全編にわたり阿頼耶識が如何にして身を保持し、如何にして身を離れ、如何にして受覚などを帯びて別の生を受け、如何にして他の色身へ遷移し、如何にして来世の色身を受け入れ、如何にして身に随って運転し、現世の色身を離れて未来世の身に業報を受ける状態となり、如何にして胎に入り、如何にして業を保持するかを説き、阿頼耶識が五陰身において果たす機能作用を余すところなく顕わにし、衆生に阿頼耶識が生命の流転運行にとって如何に重要であるかを示している。阿頼耶識無くしては三世の五陰身も宇宙の器世間も存在せず、阿頼耶識は五陰世間の主宰者であり、衆生の生命の主体識である。故に阿頼耶識を理解することは極めて重要であり、阿頼耶識を証得することは更に重要極まりないのである。
この経典の縁起は、世尊が父である浄飯王の善根が熟したことを悟り、大乗仏法を説いて究竟の解脱を得させたことに由来する。本講義では、この経典の中でも特に重要な部分である、仏が浄飯王に説法した後四巻の経文を解説の対象とする。経中において世尊は様々な夢の喩えを用い、浄飯王に諸根の如幻なる境界は夢の如しと諭し、世俗の権勢や享楽に執着せず、夢から覚めれば何ものも存在しないがごとく、速やかに道を修めて煩悩を解脱し涅槃を得るよう教示された。夢の譬喩を通じて一切の諸法が空寂であることを示し、空・無相・無願の三解脱の門へと導かれた。経典中で世尊が説かれる各々の夢喩は、一切法の自性が空であり来去する実体なきことを顕わにし、執着する必要のないことを明らかにする。これにより衆生の覚醒を促し、夢幻の如き世界に沈淪して貪瞋痴の業を造作することを止めしめるのである。浄飯王はこの法を聞き終えて精進修行し、遂に悟りの境地を証得された。
『般若心経』は般若経の精髄であり、広く仏道を学ぶ者から深く愛されております。この経典の教理の深遠性と伝播の広範性、ならびに広く仏道修行者にとっての重要性を鑑み、般若の智慧を体得した上で本経に対する全面的かつ深遠なる解説と分析を行う必要がございます。これにより、多くの仏弟子が五蘊の本質と法界の真実の相を包括的に理解し、速やかに般若の真義を悟証し、仏弟子の大いなる般若智慧を開顕し、心に解脱と自在を得られるよう導くためでございます。本経に依って修行する者は、五蘊の実相を理解し、五蘊皆空を証得した後、身心はますます解脱し、智慧はますます深く鋭くなり、観自在菩薩の如く心に掛礙無く、ますます自在となり、あらゆる生死の苦厄を渡越する力を得るのでございます。願わくは、さらに多くの人々が顛倒夢想を離れ、究竟涅槃の彼岸に至らんことを。
本書は七仏の伝法偈ならびに西天及び本土の祖師方の伝法偈を集め解説し、衆生が仏祖の伝承された法脈の真髄と仏法修証の根本を理解できるようにいたしました。六祖壇経から選び抜かれた段落を解説することを通じ、壇経の宗旨を明らかにし、衆生が明心修証の目標と方向性を明確に把握できるよう導きます。過去の禅師方による参禅悟道に関する開示を解説し、学人が悟りの前後の様相と禅の内実を理解できるように示しました。最後に楞伽経をはじめとする大乗経典の一節を引用し、衆生の仏典に対する疑問を解き明かすことで、経典の真意を正しく理解するよう導いております。